「まいてつ」感想

DMM GAMES 遊び放題」対象タイトルから目に付いたのをやっていきましょう。今回は「まいてつ」。

Hシーンの「見たい人だけ見てね」設計

「まいてつ」の本編にはHシーンがありません。Hシーンが挟まるはずのところで「回想モードで~のHシーンを解放しました」的なメッセージが表示されるだけで、Hシーンが始まらずにストーリーが進みます。

衝撃を受けました。他にもこういう機能のある作品もあるのかもしれませんが、私が初めて出会ったのがこの「まいてつ」なので。

エロゲだからと言って、別にHシーンを目的にしているわけではありません。Hシーン目的なら抜きゲーをやってます。けどHシーンを全くなくしてしまうのも何だろう。やっちゃいけない気がする。Hシーンはあるべきなんだけど、別に見たいわけじゃない。何でしょうねこの面倒な感情。

そんな私なので、「まいてつ」の「見たい人だけ見てね」設計にはわかってもらえた感がすごかったです。わかってそういう設計にしたのかは知りませんが。

テンポを損なわずにストーリーを読み進める機能

「見たい人だけ見てね」設計はテンポを損なわずにストーリーを読み進める機能…だったのかな、と思います。

抜きゲー以外の「エロゲを名乗るために仕方なく入れたHシーン」ってそんなに重要じゃありません。要約すると「Hしました」の5文字、1クリックで済んでしまう。ストーリー上はどんなプレイをしましたとかこのヒロインはどこそこが感じやすいですとかそんなのは「あ、そうですか」でしかないんですよね。

その「あ、そうですか」でしかないHシーンがかなりのテキスト量で本編の真っ最中に挟まるわけで、ストーリーを楽しみたい人々にとっては邪魔以外の何物でもないわけです。

それが「回想モードで~のHシーンを解放しました」だけに済んだら、これは革命ですよ。プレイヤーに「あ、やったんだな」と把握させつつ、そのままストーリーを進められる。Hシーンを見たい人々は回想モードを利用すればいい。完璧じゃないですか。

メーカーさんが「デジタルノベルブランド」を名乗っているようなので、ストーリーを推していくための、その一環なのでしょう多分。

価値とか概念とか、そういうのが飛び交うお話

「見たい人だけ見てね」設計の衝撃が強すぎて記事の最初に持ってきたらそれだけで1000文字近くに達してました。えー、その他の部分もよかったですよ。

「まいてつ」には様々なテーマが出てきます。鉄道、酒造、観光、選挙。これが全部一つの作品、それもエロゲに詰まってます。これだけ詰め込んでなんだかんだ上手い具合にまとまってるんだから、わけわかりません。

それぞれ詳しい人々から見たらツッコミどころ満載なのかもしれません。けど詳しくないただのエロゲオタクな私は、特に違和感もなく楽しく読めました。「鉄道って何か難しそう」というアレはわかりますが大丈夫です。私も全くわかりませんでしたしプレイし終えた今も全然わかりませんが楽しめました。

今日もいつも通り電車が走っているし、店には酒が並んでいるし、観光の話題がテレビ番組で扱われているし、選挙看板には全く知らない人々がにこやかな笑顔で並んでいます。何でもない風景なんですが、それは私がそれらに特に興味関心を持たず、関わりもなかったからってだけで、関わっている人々の間ではそりゃいろいろありますよね。妨害あり、事故あり、様々あり。そういうお話でした。

CGが動きます

OPムービーなどで静止画の一部を拡大縮小その他様々な方法であたかも動いているように見せる技術が使われるようになって久しいですね。胸や髪が揺れたり、瞬きしたり台詞に合わせて口を動いたり。すっげぇ頑張って動かしてるなぁってアレです。

アレがムービーだけでなく全編通して使われてます。立ち絵も一枚絵も自然に動きます。ものすごい手間を掛けたんだろうなぁ…。それとも簡単にあのくらいの動きを付けられる技術が実用化されていて、大した手間も掛けずにやれたんでしょうか。そうでないとヤバいと思うんですが。

ここまで動かしちゃうと、次回作も「動くこと」を期待されてしまうと思うんですね。それで今後すべての作品にこの「動かす手間」を掛け続けることになったら、それは大変なことじゃないですか。

毎食高級レストランってキツいですよね。いやまぁ美味いでしょうけど、面倒くさいし金も掛かります。今作だけで一生分稼げるほどエロゲ業界広くないと思うんですね。それで今後も作品を作っていかなきゃいけないとなれば「継続可能な質」でないと続けられません。今作が「継続不可能な質」だったとしたら次回「継続可能な質」に落としたときの落差に耐えられるのかどうか。

今作が「継続可能な質」だったら…やべぇな…。今作のCGとその動かし方はホント凄まじいです。

総評

今作は今後が心配になるくらい高レベルでまとまっています。鉄道や選挙など専門知識が必要そうな題材を扱う作品ですが、なくても問題なく楽しめるようにも設計されています。

DMM GAMES 遊び放題の看板みたいな扱いになっている作品でもありますから、とりあえずでやってみてもいいんじゃないかと思います。