「なつくもゆるる」感想

DMM GAMES 遊び放題」対象タイトルから目に付いたのをやっていきましょう。今回は「なつくもゆるる」。

今作もアレです

前作「はるまで、くるる。」はアレでしたね。アレでした。何とも形容しがたいので「アレ」としか言いようがないんですが。

今作もアレです。ただし前作とは方向性の違うアレです。OPムービー前にHシーンが10回以上あるようなぶっ飛び方はしていませんでした。そういう意味ではマイルドになっていると言えるでしょう。別のところがぶっ飛んでいるんですが。

ではアレな部分を見ていきましょう

展開の乱高下がキツすぎる

「急展開」という言葉では足りないくらい、展開が乱高下します。ギャグパートの直後に人が死に、息つく間もなくHシーンに突入します。

このためヒロインに魅力を感じても「でも何か裏があるんじゃないか」「次の瞬間こいつ死んでるんじゃないか」みたいな不安がよぎって手放しに受け入れられませんでした。相変わらずヒロインは「物語のための駒」です。

メインヒロイン狭霧 紫穂がキツい

メインヒロインの狭霧 紫穂が話を読み進めるのが苦痛に感じるレベルでウザいです。特に物語後半、衝動的になって会話をこじらせる場面が度々あり、話が進まなくて殺意が沸きました。ロリかわいいとかそんなのどうでもよくなって「うぜぇ…こいつ殺してぇ…」以外の感情が消え失せた状態でクリックし続けてました。

他のヒロイン(と男友達)も会話の腰を折ってくるんですが、そっちはまだ可愛げがあり楽しめました。しかしこのメインヒロイン様はホントしつこすぎてダメでした。

その上こいつメインヒロインです。いわゆるトゥルールートが狭霧 紫穂ルートであり、終盤ずっとこいつと付き合う羽目になります。この時点で心底嫌になってしまっていて、話とかほとんど読んでませんでした。

概念の話について行けない

前作はOPムービー前でぶっ飛んでいましたが、今作は終盤にぶっ飛びます。トゥルールートに入ると宇宙や物理学の話が飛び交いますが、途中からもう何言ってんだかよくわからなくなりました。

「展開の乱高下」の中でこういう話を押しつけられるんですね。理解しようと頭を切り替えてさて走り始めるぞってところで突然戦闘やHシーンが始まるので頭を動かす気も失せてしまいます。

学校の授業って1時間丸々一つの教科をやりますね。あれが5分区切りで切り替えられたら、途中で投げ出したくなると思います。そういうアレです。人間の頭はそれほど切り替えが上手くありません。

トゥルールートのために否定されるサブヒロインルート

今作もループモノですが、今作はループの仕方が非常に不味い。

本作は基本的に一本道で、サブヒロインENDを経てトゥルールートに進みます。その各サブヒロインENDで謎の存在が「あーはいはい、そのヒロインとのハッピーエンドになったのね。でも気に入らねぇからリセットするわ」的なことを言い残してリセットしやがります。

そしてサブヒロインルートは大変面白く、サブヒロインが皆大変かわいいんですね。ストーリーを面白く読んで、サブヒロインを気に入ったところで突然「気に入らねぇからリセットするわ」。これキレていいところだと思います。それでトゥルールートがあの狭霧 紫穂様による精神修行ルートなので、もうため息しか出ません。

トゥルールートまでは面白い

貶すパート終わり。ここから褒めます。上でも触れましたがトゥルールートがアレなだけで、サブヒロインルートはいずれも素晴らしかったです。でもサブヒロインルートが素晴らしかったら、そのまま自動的にトゥルールートまで進んじゃうじゃないですか。作中の「スマホを捨てられない」の話みたいに。それで最後までやっちゃうと、ため息に繋がります。

水名 りねENDまでやって鋼の意志で「この作品はここで終わり!狭霧 紫穂なんてヤツは知らない!」と切り上げられれば、良い印象でこの作品を締められたような気がします。

自殺ネタが面白い

今作は「自殺する確率が上がる病気(自殺病)の患者のための隔離学園」が物語の舞台で、豊富な自殺の知識を活かして上手く描かれています。自殺素人の私は感心の連続でした。

「日常的に身近な自殺が発生するから、生徒は死体に関心を持つようになるし、教師は生徒と距離を置きたがる」―まぁそうなるんでしょうね。

「死体にビニールシートを被せても、熱はこもらないため死体の劣化は早まらない」―あぁそうですよね、死体って体温ないですしね。

「飛び降り自殺した人が、起き上がって歩き回ってから死ぬ可能性がある」―飛び降り自殺といえば飛び降りて死ぬモノだとばかり思ってましたね…うっかり死に損なったら、歩き回る可能性もそりゃありますよね…。

このように「言われてみれば納得できるけど、素人では気づけないこと」がテキストのあちこちに見られ、自殺の知識の豊富さがにじみ出ていました。

自殺の知識が役立つ場面を考えても自殺するときくらいしか思い浮かびませんが、ライターさんは何を励みにこれほどの自殺知識を集めたのでしょうか。「よし、自殺モノを書くぞ!」となってから一朝一夕でどうにかできるものとも思えないんですが。

生物学ネタも面白い

生物学や野生動物に関する雑学も豊富に盛り込まれています。「カモノハシには毒がある」「進化に目的はない」「死滅回遊」―そういう話がポンポン飛び出します。「カモノハシには毒がある」なんて知識、どこで仕入れたんでしょうね。Wikipediaにも書いてはあるんですが、どういう経緯でその知識に辿り着いたのか。

これもまた一朝一夕ではどうにもならない雰囲気です。その上で物理学についても詳しいようで。このライターさん、どういうペースで知識を吸収しているんでしょう。

そしてこれら面白い自殺ネタや生物学ネタはトゥルールートでは激減します。ホントあのトゥルールートは…。

総評

トゥルールート以外は大変よかったです。自殺ネタがふんだんに使われているので、そういうのが苦手な方にはアレですが、だからといってリアルな死体のCGなどが出てくるわけでもないのでそれほどキツいものでもないと思います。

水名 りねENDまでやったら鋼の意志で「この作品はここで終わり!狭霧 紫穂なんてヤツは知らない!」と切り上げてみてください。それまでのストーリーで狭霧 紫穂に悪い印象を持った方は特に。

トゥルールートも、狭霧 紫穂に良い印象を持った方で、SFに耐性のあれば、楽しめるかもしれません。私はダメでした。

前作「はるまで、くるる。」の感想はこちら→「はるまで、くるる。」感想