「オススメ」で客の好みをコントロールして儲けを増やす話

インターネットをやっているとどこもかしこも広告だらけ。いつの間にか通販で買ったエロゲと雰囲気の似たエロゲをオススメする広告まで…。

ということで今回は「オススメ」を使った好みのコントロールの話です。

客の好みが多様化すると儲からなくなる

客が2人います。1人は甘いものが好きで、もう1人は苦いものが好きです。甘い料理を作っても苦い料理を作っても1つしか売れません。けど2種類作るのは面倒くさい。

そういうわけで、客の好みが多様化すると面倒くさくなって儲からなくなります。単純な算数のお話ですね。このままでは儲からず廃業に追い込まれてしまいます。どうしましょう。

そこで出てくるのが「オススメ」という道具です。

「オススメ」とは

何のコントロールもせずにそれぞれの客の好みに応えようとしても廃業するだけです。じゃあ儲けたいなら客の好みをコントロールすればいい。そうなりますね。

そもそも客が好みのものを求めるのは「それでいい思いをしたいから」です。いい思いをしたいから、いい思いをできるとわかっている「好みのもの」を求めるんです。いい思いさえできれば「好みのもの」でなくても構いません。手段と目的は分けて考えましょう。

「好み」は言い換えれば「惰性」です。新しく「いい思いができるもの」を探すのが面倒だから「いつもの」で済ませるんです。最初に「幼女」で興奮できたけど、他に何で興奮できるかはわからないから、今回も「幼女」でいいや。そういうのありますよね。

ここで登場する道具が「オススメ」です。店員が「これを買えばきっといい思いができると思いますよ」と言ってやるだけで済むんですね。営業スマイルなり話術なりができる店員さえいれば、わざわざ高い金を掛けてあまり売れない新商品を開発しなくてもよくなります。製造ラインも単純化・機械化できるようになり、みんな幸せってやつです。

客の好みなんて無視しましょう

つまりそうなりますね。エロゲの世界にも「性癖」という概念があり、ヒロインが殺されたり触手に襲われたり、胸が大きかったり小さかったり、実は男だったり、色々ありますね。それに付き合うってのがそもそもの間違いです。

「へぇこういう性癖もあるのか。じゃあこの性癖の客を狙ってみるか」とかやっても儲けは高が知れています。オススメできないので。どんな性癖を持っているかもわからない客に、ヒロインが惨殺される作品をオススメするって自殺行為ですね。

そういうワケで性癖なんかに付き合っていたら売れない商品を作り続ける羽目になります。人間の寿命は短いですし、会社・メーカーの寿命はそれに輪を掛けて短いです。そんなことに費やせる時間はありません。

まず店員やエロゲオタクが広くオススメできる王道のやつを作りましょう。そして公式サイトでも積極的にオススメしていきましょう。まずオススメして一度買ってもらっていい思いをしてもらって、それであなたの商品を客の好みにするんですよ。

おまけ:なぜ客の好みが多様化したのか

人間社会自体は何千年も前から続いているのに、なぜ今更客の好みが多様化したのでしょうね。実は客の好み自体が多様化したわけではありません。客の好みに応えられるほど、世の中の処理能力が上がっただけです。

これまでは販売員を機械化できておらず、人間には限界がありました。販売員は客の細かな好みまで把握できないので。だから「オススメ」でまとめなければ対応できませんでした。

しかしコンピュータ技術が発達したことで「客の閲覧したページや購入した商品の傾向を自動で解析してオススメを表示するシステム」なんかも実現可能になりました。コンピュータは疲れを知らず、高速・正確に複雑な処理が可能なので、客のわがままにも対応可能です。

しかもコンピュータを相手にした人間は際限なくわがままになります。相手が人間なら遠慮が生まれますが、相手がコンピュータなら遠慮がありません。検索履歴とか人様には見せられませんね。コンピュータは人間のわがままを無限に受け止め蓄積して、そこから適切なオススメを生成します。

以前は店員の「オススメ」で矯正されてきた「好み」が、現代ではコンピュータによって尊重されるようになり、客は自身の「好み」を意識するようになったんですね。これが「客の好みが多様化した」ってことです。

まとめ

  • 客の好みに付き合っていては仕事が面倒になるばかりであまり儲からない
  • でも実は客は好みなんてどうでもよくて、いい思いをしたいだけ
    (「好みのものを買う」しか「いい思いをする方法」を知らない)
  • だから「オススメ」を駆使すれば十分で、これなら商品の種類を増やさずに済み、効率を上げられる

「人の言うことをそのまま受け取ってはいけない」というお話でした。人間って基本的に馬鹿なんです。よくわかってません。自分が何を求めているかさえよくわからないんです。真に受けてはいけません。

あなたはその分野の専門家なんですから、「いいもの」を作って「これはいいものですよ。これを買えばいい思いができますよ」と言ってやればいいんです。