「夜巡る、ボクらの迷子教室」感想

DMM GAMES 遊び放題」対象タイトルから目に付いたのをやっていきましょう。今回は「夜巡る、ボクらの迷子教室」。

箸休めがないとダメ

本作は「家族から無視されて家出した少女」「いじめられた過去を持つ少女」「母子家庭で色々無理が祟ってきている幼女」の3人がヒロインの、夜間学校を舞台にした作品です。先生は20代の主人公一人だけ。各ルートは問題を主人公とヒロインで支え合いながら解決していく流れになっています。

3人のうち少女2人はまぁいいんですが、幼女ルートがキツかったです。よくできたシナリオですが、楽しくありません。少女2人のルートは歳が近いこともあり主人公・ヒロイン共に割と冗談を言い合っており、重めなシナリオでも楽しく読めました。しかし幼女ルートは真面目すぎて、冗談抜きで重めなシナリオを読み進めることになりキツかったです。

真面目な話なんだから冗談なんて言ってるんじゃねぇよ、じゃないんですね。箸休めは必要です。少なくとも私みたいにあまり体力のないプレイヤーには。

逢魔刻モードは使いませんでした

本作にはときどきヒロインの立ち絵の近くに吹き出しボタンが表示され、クリックするとヒロインの隠れた心の闇、本音などを覗ける逢魔刻モードという機能があります。主人公にそういう特殊能力があるわけではなく、プレイヤーが覗けるだけのようです。

表示された吹き出しを「なんじゃこりゃ」と軽い気持ちでクリックしたらやべぇものが見えて「ヒエッ」となりました。それで数回使った後にふと使っちゃいけない気がして利用を止めました。心の内を覗くって何か卑怯、というか自分なら覗かれたくないので。最初から「心を読める能力を使ってエロいことやりまーす!」な作品なら別ですけど、本作はそういうノリではないですし。

「心に問題を抱えているヒロインの心の内」なので怖いもの見たさ、興味本位のノリで利用する機能かもしれませんけど、あまり気持ちのいいものじゃないですね…。こういう作品でこういうチート機能は…何か違いました。

逢魔刻モードは誰のための機能か

「逢魔刻モードキモい!」だけで終わってもアレなので、この機能が誰のためのものなのかと考えてみました。

多分「精神病が身近でないプレイヤー」のための機能なんだと思います。自分または周囲に精神の病んでいる人がいると、そういう経験値が貯まります。「あぁわかる、そういうのってあまり触れられたくないよね」「友達に同じような問題抱えてるやついるわ」みたいな。エロゲオタクはヒロイン(=奇人変人)に日常的に触れていますから、経験豊富です。経験豊富なら、逢魔刻モードは蛇足で気持ちの悪い機能です。

一方で経験豊富でない場合、今作のような闇を抱えたヒロインを理解するのは困難です。「突然よくわからない思考回路が繋がって発狂するキモいヒロイン」という認識になります。それじゃ売れませんから、発狂する前にワンクッション置いて、経験が不足していても理解できるようにしよう、と。それが逢魔刻モード。

そう考えると、エロゲオタクだけでなく新規顧客を開拓しようとしていたのかもしれません。私は重度のエロゲオタクだからか気持ち悪くて使いませんでしたけど。

総評

見るからに重そうな作品で、実際どのヒロインも闇を抱えています。軽いノリを期待してやる人はいないと思いますが、幼女ルートは本当に終始全然楽しくないです。面白いんですが、楽しくはないです。元気のないときにやっちゃダメなやつです。

そして幼女ルートを含めて、どのルートも涙を流して感動するようなものではなかったです。「悪の親玉をぶっ飛ばしてハッピーエンドとはいかない中で、何とか落としどころを見つけて着地する」―そういう作品です。すっきりはしませんが、その微妙なところがとても面白い作品でした。