抜きゲーってこれでいいんですよね。本作は「不要な要素を排除した抜きゲー」です。徹底しています。
陸上部顧問の主人公がヒロイン3人に合宿を提案するところから話が始まるんですが、その夜にはヒロインが集まって「よし!合宿で主人公を食べちゃおう!」という話し合いを持ちます。速い。そして合宿1日目。宿に着いてトレーニングして、いやぁ疲れたなぁで風呂に入ったらヒロインが襲ってきます。速い。あとはまぁトレーニングとかほぼなかったことになって子作り合宿と化して、そのままエンディングまで続きます。
抜きゲーを突き詰めた設計ですね。抜きゲーは「エロいヒロインとのHシーンをおかずにするもの」なので、ヒロインのエロさを手短に説明したら、そのままスムーズにHシーンに突入しちゃえばいいんですね。
それ以外の要素は大体全部不要ですし邪魔です。ヒロインのエロさの説明やHシーンまでの時間が長いと「使いづらいおかず」になってしまうので。抜きゲーのプレイヤーは発情してイライラしているので、さっさとエロいHシーンを提供しないと怒ってしまいます。
それをよくわかっているようで、徹底的に無駄を排除した設計になっています。スムーズにHシーンに到達して、おかずにできる。他に何が必要って言うんですか。必要なモノは全部揃ってます。では逆に、どういったものが抜きゲーに不要かというのを見ていきましょう。
選択肢、ルート
最高にエロいシナリオが1本あれば選ぶ必要なんてないよねってことで一本道です。
ヒロイン紹介
本作にはヒロインが3人いますが、個別紹介パートはありません。全員一気に呼び集めてパパッと紹介します。
個別に紹介していたら手間が掛かりますしね。ヒロインを重視する作品なら別ですけど、抜きゲーですから、エロけりゃいいんですよね。
他のヒロインへの配慮
主人公は「ヒロインとセックスしたこと」を他のヒロインに対して隠そうとします。「俺はヒロインAとセックスしたぞー!」なんてヒロインBに言いませんよね。この主人公が特別なわけではなく、一般的な感性でしょう。
しかしこれではヒロインBが「主人公とヒロインAの関係」を察知するのが遅れてしまいます。察知が遅れれば「ヒロインBとの今まで通りの関係」が長引きます。ヒロインを選ぶ作品ならヒロインBに察知させる必要はありませんが、本作のような一本道のハーレムモノでは問題です。抜きゲーでの遅れはプレイヤーの不満に繋がります。
本作は最初にヒロイン全員での話し合いを済ませることで、そういう面倒くさい色々を省いています。「ヒロインAとセックスしたことを、ヒロインBがすぐに察知して自分からセックスを求める」という形でHシーン同士の間隔を短くしています。
回想解放
エロゲの多くは本編で見たCG、Hシーンなどを回想モードで解放します。一方で本作はそんな面倒くさいことはしません。タイトル画面に「各エロシーン」というボタンがあり、それをクリックするとHシーンを直接見られるようになっています。
ストーリーを短くするだけでなく、その短いストーリーもスキップできるようにしているわけですね。これなら短気なプレイヤーでも安心。
ムービー
タイトル画面に「スタッフ」というボタンがあり、それをクリックすると制作陣の一覧が表示されます。本編ではOP・EDムービーは流れません。プレイヤーはムービーを見たいわけではなく抜きたいんですしね。
公式サイトへのアクセス
本作には「キャラ紹介」機能があり、ゲーム画面上にキャラクター紹介を表示できます。公式サイトにアクセスする必要がなく、セーブ画面を開くくらいの気軽さでキャラクター紹介を見ることができます。
「誰をおかずにするか、このヒロインはどういうキャラクターなのか」と公式サイトでキャラクター紹介を見ようとして、公式サイトが重かったら嫌ですね。そもそもググるのも面倒くさい。そういうワケでインターネットを使わずにキャラクター紹介にアクセスできる、というのは大変便利です。
実によくできた抜きゲーです。徹底的に無駄が省かれており、「抜くための道具」としてはほとんどストレスなく快適に使えると思います。そういう意図で省いたのかなんてわからないんですけど。挙動から意図を推測しただけで。