「働くオトナの恋愛事情」感想

本作を手に取ったとき、これといって期待はしていませんでした。10本1万円だけど気になるのは10本もねぇんだよなぁ…というときに「余り物の中ではマシ」くらいのアレで選んだくらいです。社会人モノってどうせよくあるやたら飲みに誘ってくれて気前よく奢ってくれる上司がいたりする架空の商社が舞台のなんちゃって社会人モノでしょ。現実であんなの見たことねぇよ。その違和感が気になって楽しめないんじゃないか、そんなもんでした。散々ですね。

ですが始めて早々に「何か違う」と気付きました。いえ、架空の商社が舞台のなんちゃって社会人モノではあるんですがそこは重要ではありません。本作はひたすら平坦に「いい雰囲気」を演出し続けることに全力を注いだ作品でした。「いい雰囲気」を壊さないよう、一切の起伏を排除したまま最後まで完走していました。感動はありませんし、地雷も難しい伏線もありません。全部丁寧に説明されますから、難しく考える必要はありません。

本作は感動モノではありませんし考察モノでもありません。オトナの恋愛をテーマにしたいい雰囲気を何も考えずに肩の力を抜いて楽しむ作品です。そういうものとして見ると本作は非常によくできていて文句の付けようがありません。完璧です。

このため本作を終えた今、印象に残ったシーンなどはあまりありません。「とてもいい雰囲気で、これといって辛い要素のない、とてもいい作品だった」という全体に対するふわっとした印象が残っています。そんな作品です。規模もそれほど大きくありませんし、感動とか考察とか疲れるんだよな…という方にオススメです。

2作目の感想記事はこちら