「彼女と俺の恋愛日常」感想

左から妹、アーチェリーのトップアスリート、トップアイドル、幼なじみの才女―と錚々たる顔ぶれの、よくある学園ラブコメ。お姫様とかがいないだけまだ平和な方。それが本作を始める前のイメージでした。それが蓋を開けてみたら、妹ゲーでした。

妹以外のルートは、「クソつまらない無難なシナリオの上に煌びやかなヒロインを乗せる」といった作りでした。とてもかわいいヒロインが作れたら、あとは変に捻ったシナリオでそれを損なわないように、無難にまとめればいいんです。「そうだよ…これでいいんだよな…」となりました。学園ラブコメで3ルートそんな調子だったので、最後の妹ルートもそんな調子なんだろうなと思ったら違いました。

このようにお兄ちゃん大好きな妹の遙が程よく狂っていて、それだけでなく受け皿までしっかり整っている世界観も面白すぎて終始「ヤバい」「こわい」などとつぶやきながら笑っていました。このテンションのまま完走してました。すごい。

他の3ルートと同じノリであれば「ヒロインがかわいいだけの無難でいい感じの作品でした」などと言っていたと思いますが、妹ルートに全てを持って行かれて「何というか…妹ルートがすごかったです」以外の全てが吹き飛んだ形です。

ただTrueルートじみた遙ルートもルート制御が掛かっていないので、うっかり最初にやってしまうと全然違う印象になっていたような気がします。ルート選択肢を上から順に選んでいく面倒くさがりのおかげで無事最後に回せましたけど。「遙ルートはヤバかったけど他は無難だったな」と「他は無難だったけど最後にやった遙ルートはヤバかった」なら、後者の方がクリア後の印象がいいですよね。

あ、そうだ。もう1つありました。左から2番目のアリスですが、料理下手設定があります。

「はぁ~このめちゃくちゃかわいいお嬢さんなのに料理下手設定かぁ~作ったやつ何考えてんだよ…」とテンションがだだ下がりしました。味見もしないとか、味覚が狂ってるとか、謎のアレンジを加えちゃうとか、もううんざりなんですよ…。

しかし本作、シナリオをクソつまらなくしてまでヒロインの魅力を損なわないようにした作品でこんなゴミ設定をそのまま放置するはずがなく、ヒロインはすぐに自分が料理が下手であることを自覚して努力を重ねて改善することで「努力して改善できるヒロイン」という魅力に変換していました。

世のエロゲには主人公が悪い汗を流しながら苦笑いして耐えるだけで済ませるような、何のフォローも入らない料理下手設定も多い中、しっかり改善していて好印象でした。そもそも料理下手設定を付けるなと言ってしまえばそれまでなんですけど。

遙ルートは凄まじく、他のルートも印象の悪い部分は特になく、ヒロインは全員煌びやか。とてもいい作品でした。