エロゲのBGMが印象に残らない理由

東方Projectなどのスクロールシューティングゲームは、ゲームが進行をコントロールできるので、BGMに連動したゲーム進行が可能です。ちょうどBGMの盛り上がるところでボスを登場させたりできます。一方でエロゲはプレイヤーが進行をコントロールするので、BGMの性質が少し違います。

エロゲでは、プレイヤーの入力によってゲームが進行します。それまでは停止しなければならないので、場面が切り替わったと勘違いさせるようなBGMは適しません。エロゲのBGMには終始同じ調子であることが求められます。転調なんてしちゃいけません。

エロゲのBGMはクリックによって場面が変わったタイミングで切り替えます。爽やかな朝からギャグパートへ、そして日常へ、Hシーンへ。場面に応じて別のBGMが流れますね。「これは爽やかな朝の場面ですよ」と言葉の代わりに曲で伝える、そういう使い方です。このため作中で爽やかな朝の場面になる度に同じBGMが何度も流れます。ヒロインとの爽やかな朝も、一人で過ごす爽やかな朝も、全部同じBGMです。

平坦なBGMを何度も使用する性質上エロゲのBGMはパッとしません。パッとするわけにもいきません。それを踏まえて東方Projectのプレイ動画を見てみましょう。

0:40辺りの中ボスが出てきたところでBGMの雰囲気が変わりましたね。そして中ボス戦後、1:20辺りでボス戦前の盛り上がりを見せています。

このように曲にゲームの進行を合わせられるので、後から回想画面でBGMを聞いても「あぁこの辺りでボスが襲ってくるんだよな」と情景が頭に浮かびやすいです。そしてこのBGMのボス戦前の盛り上がりは1面のボス戦前でしか流れません。このため「この場面=あのBGMのあの部分」と強く結びつきドラマチックに感じられます。エロゲのBGMにはできない芸当ですね。BGMに注目してもらいたいなら、エロゲではなく強制スクロールするゲームのステージBGMがいいです。

エロゲのBGMは背景画像と同じく脇役です。エロゲの主役はヒロインやシナリオなので、BGMは目立たないように作るものです。そりゃ印象にも残りませんよね(例外多数)。