コミュ障のための処世術

皆様も多分コミュ障だと思いますが、ということはカラオケやボーリング、バーベキューや飲み会といった概念にも苦手意識があるかと思います。でもコミュ障な私たちでも、大多数はそこまで致命的に苦手ってワケではないと思います。

コミュ障の私たちは現実ではなくアイドルを見て育ちました。二次元の美少女やどんどんレベルアップする勇者、世界を股に掛けるヒーロー、そういった非実在完璧超人ですね。

こういう非実在完璧超人を見て育つと理想が高くなりすぎて人生全般に苦手意識を持つことになります。「流行の曲を色々すらすら歌えないからカラオケは苦手」とか「ストライクを連発できないからボーリングは苦手」とか。苦手なので積極的にやろうとはしませんし、誘われても断ります。日々の生活から排除してしまいます。

でも現実のカラオケやボーリングは実は割と散々です。みんなそんなに何曲も知っているわけではなく、歌詞も割と間違えます。画面に表示される歌詞を見ながら何とかやってます。ボーリングも1~2本しか倒せなかったり偶然ストライクになることもあるけど再現不可能、そんなもんです。カーブなんて掛けられるわけないだろ!プロじゃないんですからそりゃそうです。それでもいいんです。

 

カラオケに誘われたとき、断って場を白けさせるのはあまり得策ではありませんね。でも上手く歌えないんだから仕方ないじゃない。じゃないんです。

そんなに何曲も歌える必要はありません。「テレビで流れるような曲を3曲程度、歌詞を見ながらなら「ん?」となりながらも一応歌える」くらいになればとりあえずやりすごせます。それでいいなら何とかなりそうじゃないですか。

ボーリングにしても何となく基本的な投げ方ができて、6~7割方ガーターに落とさずに投げられれば合格です。他の参加者がストライクを出したときに「すげー!」とか言いながらハイタッチして、最下位で終わっても適当にポジティブなことを言っておけばいいです。むしろハイタッチの練習をしておきましょう。あらかじめ1回1人で行って予習しておく、というのも手です。「へーこういう流れか」という理解が発生します。

こうして場を白けさせずに乗り切れるようになれば、そう苦い思いをすることもなく現実を見ることができます。他の皆さんも割と散々でしたよね。そりゃ1人2人くらい上手い人が混ざったかもしれませんが、そうでない人も割といたと思います。そんなもんです。それでも彼らも楽しげに参加してましたよね。

「現実を見ろ」というのは何も厳しい現実に限った話ではありません。割と散々でも受け入れられる、そんなに厳しくない現実を見てみましょう。

そもそも「ボーリングに行く」は「ボーリングの上手さを競い合って上下関係を決める」のような意味ではありません。遊びです。私たちは争いが頻発するフィクションの世界で育ってきたので何でもかんでも争いと認識する悪癖がありますが、単に楽しい一時を過ごしたいだけです。「一緒に遊ぼう」「苦手だから遠慮します」ってコミュ障感すごいですね。「この人とは仲良くなれないな」ってなりますね。

集まる目的は出会いと交流です。争いではありません。遊びなので楽しんでいきましょう。

 

  • コミュ障はフィクションを見て育つせいで「上手であること」が求められていると勘違いする
  • けどコミュ障が思っているほど世の中は「上手であること」を求めていない
  • そもそも遊びは争いではないので上手かどうかは関係ない
  • でも「やり方がわからない」レベルだと流石に色々引っかかるので、広く浅く経験してみてその域だけは脱しておきましょう

フィクションはフィクションなので、魔法やモンスターだけでなくありとあらゆる概念がフィクションなんです。あれは楽しむもので、あの世界観の中で育ったり色々学んだりするようなものじゃないです。ってことで今週末でもどこか現実に練習に行ってみませんか。