校内放送でアニソンを流していた彼らに感謝を。

私の通っていた学校では給食の時間に校内放送で、放送委員が様々な曲を流していました。かっこいい一般ウケする感じの曲が多かったと思います。そんな中、ときどきアニソンも混ざっていました。彼らの勇気ある行動のおかげで今私たちが割と自由にオタク活動できているんだろうと思います。ありがとうございます。

彼らは多分何も考えていなかったと思いますが、校内放送でアニソンを流しました。単にそのアニソンが好きだったんだと思います。放送は全校に流れ、各教室は大変微妙な空気になったでしょう。オタクはそわそわして、でも騒ぐわけにもいかず、一般人は「うわぁ…」「きもっ…」「何これ」とかそんな感じで。もしかすると後で先生から叱られたりしたかもしれません。他の放送委員から「うわアニソンかよ…」と白い目を向けられたかもしれません。今よりオタクに厳しかった時代でしたから。それでもアニソンを流した彼らの行動は、オタク文化が受け入れられる下地を作り、オタク人口を増やすことにも貢献しました。

校内放送で初めてアニソンが流れたとき、教室は微妙な空気に包まれました。しかしそれも最初だけ、徐々に日常風景になっていきました。人間は慣れる生き物なので、同じものでそう何度も騒ぎません。「アニソンが流れると過剰に反応して微妙な空気になる」から「アニソンが流れても微妙な空気にならない」まで、強引ではありますがアニソンアレルギーを改善したわけですね。

もちろんこれだけでオタクが堂々とお天道様の下を歩けるようになったわけではありませんが、息苦しさは大分やわらいだはずです。家でアニメを見ていても家族にキモいとか言われなくなった、みたいな。

またアニソンに興味がなかった人、そもそもアニソンなんてものを知らなかった人、アニメを卒業した人々の耳に強制的にアニソンをねじ込んだところもすごいです。本来そのままオタクルートから外れていくはずだった人々のうちいくらかをオタクルートに無理矢理引きずり込んだわけですから。

オタク文化は「興味を持ったオタク候補を沼に引きずり込むこと」は得意ですが「興味を持ってもらうこと」が苦手です。世間の風当たりが強すぎて表に出せず目立てないので。視界に入らないものに興味は持てません。校内放送で全員の耳にねじ込んで布教する、というのはこれもまた強引ですが、オタク文化の弱点を上手く補っており、大変有効です。

現役放送委員のオタクがエロゲブログを読んでいるとは思えませんけど、もし読んでいたら今後もあまり深く考えずにガンガンアニソンを流していってほしいと思います。陰ながら応援しています。