IxSHE Tell「未読です。」私「ありがとうございます」


こちらはIxSHE Tellのゲーム画面でスキップボタンを押したところです。そしたら左上に「未読です。」というエラーメッセージが表示されました。これすごくないですか。

未読スキップできない設定のときに、未読テキストでスキップボタンを押したら、普通はどうなるでしょう。そうですね。どうもなりません。うんともすんとも言わず、単にスキップ機能が発動しないだけです。

しかしですよ。スキップボタンを押したプレイヤーは自分が未読スキップできない設定にしていたことなんて忘れて「スキップしたい」と考えています。そんなプレイヤーに対して「無言で拒否するだけ」というのは不親切です。「あれ?スキップできない?なんで???」と混乱させてしまいます。

そこでIxSHE Tell開発陣はエラーメッセージを表示することにしたようです。画面端とはいっても人間は動くものに注目する性質がありますから、すぐに「未読です。」を発見でき、その誤解しようのない簡潔なエラーメッセージにより過ちを瞬時に理解できます。実に親切ですね。これなら「バグでスキップ機能が使えない」などと誤解することはないでしょう。

にしてもエラーメッセージを表示する作品ってこれまで見たことがないんですよね。それでは他の作品ではどうなっているかというとこれまた色々ありまして。

スキップボタンをグレーアウトしておく

スキップボタンが他と比べて暗い色になっていれば「あぁこれ押せないんだな」ということが視覚的に伝わります。クリックするためにスキップボタンを見るはずなので、そこで押せないことが伝われば「そういえば未読スキップオフでここ未読だしスキップできないな」と理解でき、混乱は発生しません。

テキストを1つ進める

普通のEnterキーやクリックの挙動ですね。「そういえばそんな挙動になっている作品もあるな」とご理解いただけたかと思います。

この場合、ゲームに集中していてマウスカーソルの位置に意識を向けていないプレイヤーがスキップボタンを誤クリックしても集中を切ることなくゲームを続行できるという利点があります。

「スキップボタンをクリックしたときだけ何もしない」では「ときどきクリックが無視される作品」という認識になってしまいます。これを防ぐための設計ですね。

ってことは「グレーアウトしつつエラーメッセージを表示しつつテキストを1つ進める」でいいのでは、と考えましたが「テキストを1つ進める」の目的が「スキップボタンを押したことに気付かせない」なので、エラーメッセージを表示しちゃったらダメですね。「グレーアウト+エラーメッセージ(集中が切れるのは仕方ない)」「グレーアウト+テキストを1つ進める(集中を切らない)」辺りが正解かと思います。

…などということを考えたわけではなく、単に「ボタンを無効にしたら、プログラムがそれを「ゲーム画面の何もない部分」と認識して、それで「ゲーム画面の何もない部分をクリックしたらテキストを1つ進める」が発動しているだけ」というオチがありそうな気もしますけど、まぁそれはそれとして。