RPGの店の設計を考える

RPGでアイテムを入手するには、お金を貯めて店で購入するのが一般的です。薬草を買いたくなったら道具屋か薬屋か行商人か、そういうのを探して話し掛けるわけですが…これもうちょっと簡単になりませんかね。

現実の店は商品が物理的に存在するため、在庫を抱えたり展示したりする場所が必要です。一方でRPGの世界には物理的な商品は存在しません。在庫は無限ですし、展示品も実際に売買するアイテムとは無関係の風景です。それなら店は1軒で十分ではないでしょうか。

店員に話し掛けて、武器を買いたいと伝えると武器一覧を見せてくれて、そこから買いたい武器を選ぶ―という流れですね。デパート方式です。店は1軒で済み、制作陣は店マップを1つ作るだけで済み、プレイヤーは買いたいものに合わせて店を渡り歩く必要も、複数の店の位置を覚える必要もなくなります。工数が減り延期も発生しづらくなり、みんな幸せです。

この手法はRPGの店を作る際に是非検討していただきたいものですが、なぜか一般的には専門店方式です。なぜだかわかりませんが、広く受け入れられているということはその方が優れているということかもしれません。どちらが優れているのかはわかりません。

 

専門店方式では「1つのカウンターに店員を複数人詰め込む」という手法があります。武器店員、防具店員、道具店員を並べることで、店を1つにしつつ専門店方式にできます。店マップは1つで済み、店を渡り歩く手間も最小限で済み、覚える位置も1つで済みます。「店」に来たら、看板や展示品の雰囲気から武器を売ってくれそうな店員を判別して話し掛けるだけです。

ここで大切なのが「パッと見ただけでどの店員が何を扱っているかわかるようにする」という点です。武器を買うために防具店員に話し掛ける事故は誰も幸せにしません。また「出入り口、武器屋、防具屋」の位置関係にした方がいいです。プレイヤーは防具屋より武器屋をよく利用しますから。

やってることはデパート方式と同じで選択肢の代わりに店員を選ばせているだけなんですけど、専門店方式でありながらデパート方式の利点も取り込めるので、検討してみてください。