動きがないものは死んでいるように見える


こちらは聖エステラ学院の七人の魔女のゲーム画面です。この作品に限らず、メッセージウィンドウの右下辺りに特に意味もなく常に動いている表示ってありますよね。これ何なんでしょうねって話。

人間は「普通動いているはずのもの」が止まっていると、それが死んでいるように感じる生き物です。ゲームの場合は「フリーズしている」と言った方が適切ですか。

ゲーム画面は本来常に動いているものなんですね。エロゲはクリックするまで止まっていて当然のような気もしますが、「ゲーム」という大きな枠で考えると、やっぱり常に動いていますね。エロゲも一応ゲームなので、脳はゲームのルールを適用しちゃっているのでしょう。「たとえエロゲでも、画面が止まっているとフリーズしてしまったのではないかと不安になる」というあまり好ましくない現象が発生します。

でもエロゲの画面を常に動かすというのは難しいです。クリックで進むゲームなので、クリックするまでは動いちゃいけません。けど動かないとフリーズしているように見えてしまう。じゃあどうするか、ということでアイツが登場します。「フリーズしてませんアピール」するためにヤツがいるんです。

カーソルが常に点滅していたり、主人公がその場で足踏みしたり、わかりやすく呼吸していたり、そういうのも大体これです。フリーズしてませんアピール。

 

「動きがないものは死んでいるように見える」というのは何もゲーム画面に限った話ではなく、エロゲメーカーにも当てはまります。

エロゲはソフトウェアであり、開発には時間が掛かります。このため普通にメーカーの公式サイトを更新するとそのペースは「年に数回」になります。開発が難航して成果を公表できなくなった場合などは1年以上更新なし、ということもよくあります。

でもこんなことがよくあっちゃダメなんです。「動きがないものは死んでいるように見える」ので。最新ニュースの日付がかなり前だったら、開発プロジェクトが水面下で動いている現実なんて問答無用で、死んでいるように見えます。

人間は「死んだ」と認識した対象からは興味を失う生き物です。もうこれ以上自分の人生に関わってこないものに興味を持ち続けていても仕方ありませんから。今回のお客さんはあなたのメーカーを「死んでいるメーカー」と認識してしまったワケです。もうこのお客さんはあなたのメーカー公式サイトを訪れることはないでしょう。メーカー公式サイトを訪れないということは、新作を発表できても知ってもらえませんし、買ってもらえません。致命傷ですね。

ですからエロゲメーカーさん、こまめに生存報告しましょう。死んでませんよね。生きているなら生きていると言ってください。

 

とは言っても月1ペースで新作を発表できたら何の苦労もないんですが、エロゲでそれは難しいですよね。グッズ、イベント情報で繋ごうにもそう頻繁にグッズを出せるわけでもイベントに参加するわけでもない。だから「年に数回」になってるんですよね。真面目ですね。

目的はあくまで「生存報告」です。成果発表ではありません。「俺たち今も頑張って新作開発してまーす!」って、客はそれを知りたいだけです。このため開発日記ブログでもTwitterでもいいです。それの更新状況をトップページに表示して「死んでいないらしい」とわかる程度のペースで更新してください。それで客は安心して新作を待てます。

少人数でやりくりしているエロゲメーカーさんがこんなことにまで手間を掛けられるかというとアレですが、どうか頑張ってほしいです。