想定外の裏技を潰さない

ゲームには裏技がつきものですね。「このアイテムとこの技を組み合わせると大ダメージをたたき出せてボスも瞬殺できる」みたいな。こりゃヤバいだろ、潰しとこうってなりますよね。その結果どうなるかは二の次にして、想定外の大ダメージだから潰しとこうって。

ゴブリンの冒険者ハンティングにはスロットという機能があります。ダンジョン内にたまに出現する休憩エリアに設置されており、そのときの所持経験値、所持金の下2~5桁が同じ数値ならアイテムをもらえます。
12599なら下2桁が揃っているので薬草
305555なら下4桁が揃っているので強い薬草
955555なら下5桁が揃っているので全回復の薬草
といった感じ。

本作にはもう一つ、経験値の上限という機能があります。貯めた経験値を使ってステータスを上げられるのですが、持てる経験値に上限があるのである程度までしか上げられず、それ以上上げるには持ち帰ったお金で上限を引き上げなければなりません。

「あっ…」ってなりましたね。はい。上限100,000で99,999のときに経験値が123入っても100,000になります。この性質を利用すれば簡単に下5桁を揃えられます。…ということには作者さんも開発段階で気付いたようです。こりゃヤバいだろ、潰しとこう。そうして「ただし0以外で」という制限が付きました。これで今回の裏技は潰せました。めでたしめでたし。

 

…で終わりませんでした。実は経験値スロットの景品は弱めに設定されていました。所持金と比べて調節しやすいことを考慮したのか、元々割とどうでもいいアイテムしか出ませんでした。こんなのもらっても役立たない。溢れる経験値の方がもったいないくらい。

「経験値の上限を使えば簡単にスロットを揃えられる」―これだけ聞けば確かにヤバそうです。しかし実態としては別に何もヤバくなかった。これはゲームにはあるあるです。たしかにこのアイテムとこの技を組み合わせればボスでも死ぬ。普通に倒す方が遙かに簡単だけど。そういう裏技ってありますよね。

 

裏技を潰すとき、それを無理なく潰せるならいいのですが、今回の「ただし0以外で」制限はあまり美しくないですよね。なくてもよさそうな注意書きが1つ増えますし、偶然0が揃って喜んでスロットを調べて悲しい思いをするプレイヤーも発生してしまいます。一度立ち止まって、そこまでして潰さなければならないか検討してみるといいかもしれません。