残念なUI「クリックをキャンセルできない」

「クリックのキャンセル」とは、マウスの左ボタンを押し下げてから放すまでの間にマウスカーソルがボタンから外れた場合に、クリックしなかったことにする機能です。クリックしても問題ないボタンで試してみましょう。キャンセルできましたか。それです。

エロゲはクリックするゲームです。クリックによって主人公の行動を選び、ヒロインを選び、ルートを選ぶエロゲなので、クリックはとても重要です。しかし人類はそんなに気を張り詰めた状態を維持できるわけではないので、割と誤クリックをやらかします。特に仕事でもなく物語を理解する方に集中して手元がおろそかになっていますから、まぁやらかしますよね。

誤クリックに気付いたのが左ボタンを放した後なら救いようがありません。けど押し下げた段階で「あ、押し間違えた」となって指を止めた―そういう経験ありますよね。このときそのままマウスを動かしてクリックをなかったことにできたら嬉しいですよね。前回セーブしたところから再開してCtrlキーを押しっぱなしにして待つアレを回避できます。

 

さて、ではランスシリーズでその挙動を見てみましょう。ランスシリーズのクリックキャンセルはかなり謎です。

発売順に
5(できる)
6(押し下げた時点でクリック扱いになるためできない)
7(できない)
8以降(できる)
…と、できていたのが一時期できなくなります。6は特に酷く、押し下げた瞬間に画面が切り替わるので最初驚きました。次の7では改善され(?)放すまでクリック扱いしなくなりましたが、キャンセルはできないので画面の切り替わりを覚悟する猶予ができただけです。

7はものすごく運ゲーで、頻繁にセーブする作品です。セーブ機能は「システム」ボタンをクリックして「セーブ」ボタンをクリックすることで利用します。この説明を聞いただけでは特に問題なさそうですね。実際のゲーム画面はこうです。

ボタンが小さく、密集しており、すぐ近くに「ゲーム終了」ボタンがあります。こいつが非常にマズい。いえ別に「ゲーム終了」ボタンを押しても即座に終了しちゃうわけではなく確認メッセージが表示されるんですけどね。

右クリックで閉じられないけどな!

今プレイヤーは「ゲーム終了」ボタン上で誤クリックを悔やみながら指を硬直させているわけですが、そこから更に「いいえ」ボタンを注意深くクリックしないとゲームに復帰できないという追い打ちが掛かります。間違えて「はい」ボタンを押したらアウトです。セーブできていないままゲームが終了します。はいって言っちゃったけどさぁ。ある意味戦闘で負けるよりもキツいです。

プレイヤーの皆さんによほど怒られたのか、8からはクリックをキャンセルできるようになっています。5ではできていたのに、5~6の間に何があったんでしょうね。

 

人間は間違える生き物なので「クリックをキャンセルできること」はとても大切です。もちろんキャンセルできるからって利益が数倍に増えるワケじゃないですけど。私たちが日々利用しているウェブブラウザのほとんどはクリックをキャンセルできるようになっています。つまりプレイヤーはクリックを「そういうもの」と認識しています。クリックはキャンセルできるようにしましょう。