これはにゃんカフェマキアートのコンフィグ画面です。左側の上から3番目に「拡大や縮小の時、常時高画質化」という設定項目があります。この設定項目を見て、どう感じましたか。私は「はぁ?」です。
だってそんなの高画質がいいに決まってるじゃないですか。汚いより綺麗なほうがいい。ガタガタよりなめらかな方がいい。そんなのは「銀行口座の残高が多い方がいい」と同じくらい当たり前です。それをわざわざ尋ねてきたために「はぁ?」となったわけです。私が汚い方がいい奇人変人だとでも思ったの?って。
コンピューターの知識があれば「高画質ってことは重いってことでしょ。別にそんな高画質でなくてもいいから軽くしたいな」と考えられるかもしれませんが、全てのプレイヤーが基本情報技術者試験を合格しているわけではありません。「処理を減らす = 軽くなる」と頭の中で繋がっているプレイヤーばかりではありません。そしたら「はぁ?」もありえる反応です。プレイヤーに「はぁ?」なんて感じさせても、エロゲメーカーには何の得もないですね。
ということで「はぁ?」とならない書き方を考えてみましょうか。幸い画面下部にまだ空白があるので、多少長くなっても許されるでしょう。「拡大や縮小の時、処理能力を活用して常時高画質化」…何かなぁ。では「拡大や縮小の時、画質を落としてスムーズに動作するようにする」なんてどうでしょう。「処理を減らす = 軽くなる」でないプレイヤーを「画質を落とすと軽くなるんですよ」と教育して「はぁ?」とならないようにしてみました。ON/OFFの意味が逆になりますが、まぁそんなのは大した問題ではないでしょう。
ちなみにこのコンフィグ画面にはもう1つ「ログ文字にアンチエリアシングを使用する」という何やら難しげな設定項目もあります。アンチエリアシングとは、2つの色の点の間に中間色の点を設置することでなめらかに見せる手法のことです。
こういうやつですね。白と黒の2色ではどうしてもギザギザ感が出てしまうので、濃さの違う灰色をいい感じに設置してなめらかに見せています。これを使ってログ文字をなめらかにするかという設定項目です。これも「ログ文字のアンチエリアシングを省略して軽くする」なら「はぁ?」を防げると思います。そもそも「アンチエリアシング」という難しい言葉を理解できずに「…は?」となったプレイヤーも多かったんじゃないかと思いますが。「ログ文字を低画質にして軽くする」なんてどうでしょう。
とはいえ昨今ではエロゲを実行するパソコン側の性能が格段に上がっており、複数の作品を同時に起動しても難なく動作するほどです。そういう意味では既に「処理を減らして軽くする設定項目」自体が存在意義を失っているというのは、まぁあります。それでもゲームエンジンの仕様上の制限だったり開発陣の技術力の問題だったり、諸般の事情でこのような設定項目が必要になることもあるでしょう。そのような場合は言い方に気をつけましょう。言い方で変わります。