どこまで削ったら認識されなくなるか

これは家出ギャルを拾ったので育ててみたのセーブ画面です。セーブ枠はどうでもいいのですが、何か右上に青い四角がありますね。飾りにしては他の要素と色が違うし浮いてるよなぁ…何だろうこのゴミ…プレイに支障もないしまぁいいか。

当時私は寝ぼけていたので、スクロールバーという概念が頭から抜け落ちていました。その結果「画面の右上に変なゴミが残っている」と認識してしまいました。スクロールバーがスクロールバーに見えなかったために、頭が半分死んでいた私はそれをスクロールバーと認識できませんでした。

ではそんな私がホチキスをプレイしていたら、同じ勘違いをしていたでしょうか。

よほど病的に頭が死んでいなければ、これでスクロールバーと認識できないということはなかったはずです。2つのスクロールバーにどのような差があってつまずきポイントになってしまったのか。では改めて家出ギャルを拾ったので育ててみたのスクロールバーを見てみましょう。

ホチキスのスクロールバーと比べて大変シンプルに仕上がっていますね。

スクロールバーは

  • つまみ(青い四角の部分)
  • 本体(つまみの可動域を示す直線)
  • 矢印(本体の上下に設置される▲▼ボタン)

の3つの部品からなるUIです。ただしスクロールバー自体は最低限つまみさえ表示すれば成立します。それでシンプルに仕上げちゃったんですね。実は本体も表示されてはいますが、背景と似た白色だったために見逃してしまいました。気持ちはわかっていただけると思います。その結果「画面上に表示されるのは青い四角だけ」という状況になり、寝ぼけていた私は勘違いしました。

人によってモノを認識するために頼りにする部品が違います。私は多分スクロールバーを「本体につまみが乗っているもの」と認識していたんだのでしょう。矢印がなくても大丈夫だったと思いますが、本体がなかった(見落としていた)ために青い四角にしか見えなかった。そういうことなんだろうと思います。

シンプルにすると洗練された美しさが出ていい感じになります。ですが削りすぎると私みたいなのがつまずきます。どの部品が認識の頼りになっているかわかりません。削るとどんどん洗練されて美しくなるので突き詰めたくなるんだろうと思いますが、行き過ぎると伝わらなくなります。どうか適当なところでブレーキを掛けて踏みとどまってください。