これは姫と乙女のヤキモチLOVEのゲーム画面からバージョン情報画面を表示したところです。煌びやかなゲーム画面と比べると、飾り気がなく一気に現実に引き戻された気がします。ゲーム画面の飾り気の1割でも分けてくれれば…というところですが、これはエロゲにおいては割とあるあるです。バージョン情報画面を表示させたことのある方がどれだけいるかわかりませんが、表示させたことのある方は「わかる~」となったと思います。
なぜバージョン情報画面にゲーム画面の飾り気の1割でも分けてあげられないのかと考えると、まぁバージョン情報画面を表示させたことのある方がどれだけいるかわからないからですね。ほとんど誰の目にも触れないなら、そんなところを頑張っても業績にはほとんど影響しません。誰からも褒めてもらえないものを頑張って作るというのはとても難しいことです。そんなわけで多分これから先もバージョン情報画面はこんな感じで、表示させたプレイヤーを現実に引き戻し続けるだろうと思います。
「それならバージョン情報なんて表示しなけりゃいいじゃない」というのは一つの案ではありますが、メーカーの方針としてバージョン情報を表示することが決まっていて方向転換が難しい場合というのも、会社組織で活動していたら当然あるでしょう。そこで編み出されたのが「タイトル画面にバージョン情報を表示する」という案です。
これはココロのカタチとイロとオトのタイトル画面です。左下にいますね。割とありふれている表示ですが、これは絶大な効果を発揮します。
まず利用者視点で見てみましょう。利用者がバージョン情報を気にするのはパッチを適用するときと適用したときです。パッチ適用前に「今持っているエロゲはパッチ適用済みなのか」を、パッチ適用後に「無事にパッチを適用できたか」を確認するんですね。そしてそのどちらも、ゲーム画面に進むことなくタイトル画面で行う確認です。はい。ゲーム画面からメニューバーのヘルプメニューを開いてバージョン情報画面を表示する必要なんてないんですね。このため起動するだけで確認できるタイトル画面方式は便利です。
次に開発者視点で見てみましょう。バージョン情報画面などというほぼ見られないどーでもいい画面ではなく、誰もが必ず目にするタイトル画面なので、デザインを頑張る意味があります。というかタイトル画面のデザインを頑張ればそのままバージョン情報の表示もいい感じになります。
そしてメニューが1つ減ることもプラスです。バージョン情報メニューのためだけにヘルプメニューを設置していたのなら、ヘルプメニューが不要になります。ヘルプメニューが不要になったら、今作で残るのはシステムメニューだけですね。じゃあもうこれメニューバーいらなくない?―そうなればメニューバーがなくなり、ココロのカタチとイロとオトのようなすっきりとした画面になります。
タイトル画面のバージョン情報表示はありふれたものですが、アレのおかげでバージョン情報画面などというほとんど誰も見ない画面を作らずに済んでいます。飾り気のないバージョン情報画面で現実に引き戻された経験のある方は、今度タイトル画面でバージョン情報表示を見掛けたら、感謝の気持ちを伝えてあげてください。