OPムービー、2ndOPムービー、アイキャッチムービー、EDムービー(ヒロイン毎)―エロゲにはやたらムービーが多用されています。そしていらぬお節介というか何というかで初見ムービーはスキップできないようになっていることが多いですね。やめてほしいです。
エロゲには既読と未読という概念があります。既に読んだことのあるテキストを何度も読んでも仕方ないので、スキップできたり何なら自動でスキップする機能を持つ作品もあります。一方でまだ読んでいないテキストはプレイヤーが読みたいはずなので、スキップできないようになっているのが普通です。それでこのノリで初見ムービーをスキップできないようにすると、プレイヤーはこれをあまり快く思いません。なぜかというと、その挙動がプレイヤーの直感に反するためです。
エロゲは「クリックしたら進むもの」です。これは既読・未読に関係なくそうなります。ボイスや演出が途中でも中断して次のテキストに進みます。耳障りな喘ぎ声であったり、不快なモブキャラクターのねちっこい声であったり、そういう「もう聞きたくない音」をクリック1つで黙らせることができます。エロゲにおいてクリックとはそういうものなんです。クリックされたら、進行しなければなりません。
それに対して「クリックでスキップできないムービー」をぶつけたらどうなるかって、そりゃ怒られますよね。「別にEDムービーとか見たくないんだけど」みたいなプレイヤーの皆さんはクリック、右クリック、CtrlキーやShiftキー、Escキーやスペースキーなどを一通り押してため息をついて、仕方ないのでウェブブラウザを起動してTwitterか何かにアクセスします。クリア時にあった心地よい余韻はどこかに霧散します。これはとても不幸な事故です。
せっかく作ったムービーだから、開発陣の名前を広く知ってもらいたいからぜひ見てほしい―その気持ちはわからなくもないですが、嫌がっている人の腕を引っ掴んで無理矢理拘束するのも違いませんか。ムービーをスキップしたい人々にとって、スタッフロールに連なっている名前なんて「スキップできないムービーを引き伸ばした迷惑な奴リスト」くらいにしか見えないんですよ…。好印象を持たせるための手段で印象を悪くしていては本末転倒です。
制作陣が見せたいものとプレイヤーが見たいものは違っていて、その差はどうしても発生します。そしてEDムービーを楽しみたいプレイヤーもいるでしょうから、EDムービーを流すこと自体は仕方ありません。そしたらもう「申し訳ないんですが流さないわけにもいかないので、見たくない人はスキップしてください」しかありません。「見たい人もいるから我慢してね」なんて言われても「俺は見たくねぇんだよ」にしかなりません。我慢を要求すれば、その分プレイヤーからの印象は悪くなります。
今プレイしているご主人様、メイド服を脱がさないで。のEDムービーがスキップできなくて割とうんざりさせられています。EDムービーはCG1枚の上にスタッフロールが重ねられているだけで、そのCGがルート毎に違うため初見ムービー扱いでスキップできず、仕方なくTwitterに旅立つハメになりました。EDソングは同じで、スタッフロールも同じ、違うのはCGだけ、そのCGも作中で見たことのあるCGでしかないEDムービーを4回も見せつけられて怒らないプレイヤーって菩薩か修行僧か何かですかね…。ホント勘弁してほしいです。
