これはクロノクロックのCG回想画面です。4/5という表示があります。この表示の正式名称どころか名前があるかもわかりませんがとりあえず「達成率表示」とでも言いますか。この表示のおかげでまだ1枚差分を見ていないことを理解できました。便利な機能です…かね?
今回私は達成率表示によって差分を1枚見逃していることを理解しました。全クリしていなければ、まぁ残りのルートをクリアすれば埋まるでしょうからどうでもいいです。問題は全クリしたときにこうなっていた場合。
全クリしたはずなのに、見ていない差分CGがある。気持ち悪いですね。そしたらどうするかって、まぁ見に行きますよね。選択肢をしらみつぶしにしたり、ここまで使わなかった攻略情報サイトを利用してみたりして、残った1枚の差分を見ようとします。
ではこのときエピローグで最高潮に達していた感動はどうなっているでしょうか。多分散々ですね。無事に5/5にできたとしても。せっかく気持ちよく余韻に浸っていたプレイヤーを、達成率表示が冷ましてしまったわけです。もし達成率表示がなければ、確かにコンプリートはできなかったかもしれませんが、プレイヤーはその事実に気付くことなく幸せに作品を終えられたでしょう。そう考えるとこれは危険な機能かもしれません。
達成率表示には、プレイヤーに見逃しを伝えるだけでなく、プレイヤーを飽きさせるという重要な使命もあります。「もう5/5だから未読の要素はないよ。コンプリートだよ」とアピールして、コンプリートに辿り着いたプレイヤーの意識を作品から引き剥がして次の作品に向き合ってもらう。そういう使命ですね。新作を買ってもらいたいですから、いつまでも旧作をプレイされては困ります。
ただし「コンプリートまで辿り着いたプレイヤー」に効果があるだけで、そうでないプレイヤーには今回のような副作用もあります。困った。
この副作用を回避する方法としては、全クリするだけで自然にコンプリートできる単純な作品のみ達成率表示を行うという手があります。単純→複雑→単純、と新作を出した場合に「一度消えた達成率表示がなぜか復活した」ように見えてしまいますけど。
もう一つ「射精先選択肢を設置して、CG毎ではなく全体の達成率表示を行う」という手もあります。全クリしたときに97%と表示されても「まぁ射精先の差分だろ」となります。「全体でX枚、射精先差分の見逃しがY枚で97%って計算合わないな…?」などと計算したりはしないでしょう。今回のように「射精先選択肢以外の差分を見逃している = シナリオに影響する見逃しがある」と示唆してしまうことが問題なので、射精先差分の中に紛れさせてしまえばいい。そういう考え方です。このために膨大な数の射精先差分CGとテキストを用意するんか…?というと割に合わないんですけど。
クロノクロックは単純で、射精先選択肢のない作品なので、それで個別に達成率表示を行うようにしているのかもしれません。